千葉県市原市にある地磁気逆転の跡が残る地層について、新たな地質時代「チバニアン(千葉時代)」の認定をめざす国立極地研究所や茨城大などの研究グループは29日、約77万4千~12万9千年前の地質時代を代表する国際標準模式地(GSSP)を決める4段階の審査で、「千葉セクション」が3段階目を通過したと発表した。最終審査も通過すれば、チバニアンの命名が認められる。
発表によると、11月下旬まであった3段階目の審査で、専門家らでつくる委員19人が、千葉セクションを認めるかどうかを投票した。17人が賛成票を2人が反対票を投じ、最終審査に進むことになったという。今後、国際地質科学連合の最終審査の投票で、6割以上の賛成票が得られるかが焦点となる。
千葉セクションをめぐっては今夏、認定に反対する男性が、地層がある土地の賃借権を取って研究者を立ち入らせない構えを見せ、審査が一時中断していた。その後、市原市議会が、研究者の立ち入りを妨げられないとする条例を可決。研究グループはこの条例について説明する資料を審査で提出していた。(合田禄)
研究グループや地元に安堵の声
「チバニアン」の審査が最終段階に進むことになり、研究グループや地元には安堵(あんど)の声が広がった。
市原市の小出譲治市長は「喜ばしいことであり、最後の審査に対し期待を込めて見守りたい」とコメント。岡田誠・茨城大教授は「市原市をはじめ、活動を支援して下さった皆様のおかげです」と喜び、「人事に例えると内定」と語った。地層の近所に住むボランティアガイドの石井あゆみさん(61)は「ほっとした。これからもガイドを通して魅力を広めたい」と話した。
「千葉セクション」は、学術的…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル